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CB1100F E/Gフルオーバーホール Vol’1

11月になりすっかり冬めいた気候になりましたが、秋はいつ過ぎたのでしょうか?

今季は秋を感じる間もなく冬が来てしまったような気がしてならない菅野です。

とはいってもウィンタースポーツを楽しんでいる私としては冬は好きだし雪も好きですが・・・

自分の住む街が寒いのは嫌いです。年間を通して20度前後の気温がいいと願う日々です(笑)

まあ私の趣味趣向はさておいて今回はCB1100Fのオーバーホールになります。

ちなみにCB-Fシリーズのエンジンの担当は私、菅野が全てやらせて頂いています。

では、そうぞ・・・

今回、ご紹介させて頂く車両はCB1100Fになりまして、東京都H様からのご依頼です。

H様はCB750Fも所有されており先日まで車検整備をさせて頂きました。

そしてCB750Fと入れ替えにCB1100Fを持ち込んで頂いて作業開始となりました。

で、今回はいつもと書き方を変えまして作業工程を分けてUPしていこうと思います。

いつもは全ての作業&納車が完了してからのUPとなっていましたが出来る限り

リアルタイム??(それは無理だとおもいますけど・・・)でガンバリマス!!

2年ほど前に車両を手に入れて購入時には足廻りのメンテナンスは一通りされた様なのですが

エンジンに関しては何も手を付けていないしカムチェンの音が気になるとの事でした。

確かにエンジンを始動するとカムチェンからの音が激しいです。

とても怖い音です。一応テンショナーを調整してみましたが改善されず・・・

よくよく聞いてみるとカムチェン以外からも音がしている様なので念のためオイルチェック。

ゲージにオイルが付かない・・・マジ???

ゲージにオイルが全く付着しないということは、すなわち1Lくらいはオイルが足りていない

可能性が大です。これは危険なので試乗前にとりあえずオイルを補充。。。

なんと0.9L入りました。

オイルを補充したら多少音は軽減されましたが、最近1100Fシリーズはカムチェンが切れる

という症状を良く耳にするようになったし見てもいるので試乗はちょっとビビリ気味です。

H様からの報告で3500や6500辺りで息つきがあるとのことでしたので確認を。

たしかに谷が有りましたね。

まあ感じた症状的にはキャブレターのオーバーホールで改善されるでしょう!!

試乗で万が一カムチェンが切れても困るので今回は7000回転までしか回しませんでした。

それでもクラッチから左手を離さずにいつでも切れる状態を保ってましたけど、大丈夫でした。

試乗の際に必要であれば高速に乗って状態を確認することもあります。

店に戻りましてエンジンが暖まっているうちに圧縮圧力を測定。

全体的に12.8kgf/cm2 くらいですね。

ここで一日目の作業は終了です。

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翌日以降にエンジンが完全に冷えた状態でバラしに入ります。

何故?冷えてからバラすかと言うと。。。タペットクリアランスを測定するためです。

まあデータ取りですね。

こういったデータを集める事によりエンジンの状態などを推測する情報にします。

201011140021.JPG

だいたいの車両がクリアランス過多になるのですが、平均的には0.15~0.20mm位が多いです。

今回は0.06~0.19mmでした。そしてカムシャフト等々取り外しにかかります。

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オイルをウエスで拭き取ってカムシャフトやシム、リフターなどの各部をチェックします。

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何かのマーキングもあるのですが、リフターの一部が欠けておりました。しかも他にもう一箇所。

ナニガ起きたのでしょうか???シムを入れ忘れてクランキングしたのでしょうか???

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カムシャフトの振れの確認やフェースの状態を念入りに点検。

予想通りリフターが欠けていた箇所のカム山に凹みと傷が・・・

修正としてバリ取りを行いまして摺動性向上のためWPC処理をしたいと思います。

お次はヘッドとシリンダーの取り外しに・・・

いつもですがこの作業が一番時間かかります。

ホントに外れないんです。特に1100Fは頑固です(苦笑)

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でもでも、心配したわりに今までで一番簡単に外れて拍子抜け!!

この結果は後で納得しましたが・・・

そしてシリンダーが外れたら測定ですね。

201011140034.JPG
 

 

ピストンクリアランスが全て0.08mmでした。

メーカー指定のリミットは0.10mmですが、エンジンは簡単に開け閉めするものでも

ないのでピストンは交換となります。

ただメーカーからオーバーサイズが出ないのが痛いところですね。

なので今回もワイセコ仕様になります。

そしてシリンダーにはうっすらと錆がありました。

シリンダーに錆が発生していると言うことは放置されていた期間があることになります。

あまり間を空けずに乗っている場合はシリンダー壁からオイルが完全に落ちることはなく

表面を保護していますが一定の期間以上、間を空けてしまうとオイルが全て落ちてしまい

表面が剥き出しになるので錆びてしまいます。

コレから寒くなる時期ですし年末にかけて忙しくなるため乗る時間を作るのは大変かも

しれませんが、出来るかぎり乗ってください。

バイクは乗ることが一番のメンテナンスです。自分にとってもね・・・ストレス発散的な

でも安全運転でお願いしますよ!!

 

お次は腰下に移ります。

オーバーホール作業の場合は、ほとんどの作業は腰上に集中しています。

腰下の作業は時間的にはそんなにかかりません。

部品点数も少ないですし。

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腰下は簡単にバラせてしまうので、いきなりご開帳です。

コンロッドのサイドクリアランスを測定してコンロッドを取り外して・・・

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コンロッドのメタルを見ると真ん中に一本のスジが・・・

たぶんリフターが欠けた破片などがオイルラインを循環してクランクシャフトから出て来たのでしょう。

幸いなことにメタルが全て吸収してくれたのでクランクジャーナルは無傷でした。

振れは0.04mm。この程度の振れを修正すると他の部分にしわ寄せがくる可能性も

あるので修正はなしでバランスのみ取ることとします。

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クランクケースからスタッドボルトを取り外してバラしは完了です。

でバラしたエンジンのケースやカバー類を洗浄漕にて一つ一つ洗いながら点検します。

ここまでの作業でVol’1は終わりですが、このSTYLEは如何でしょうか?

いつも以上に細かく内容を紹介できた気もしますし、オーナー様も現状を把握し易いのでは?

と思いますので、今後はこんな感じで行きたいと思います。

ここまでのマトメとしてこちらのエンジンは、そう遠くない過去に腰上だけは開けている様ですね。

各部のシールの状態などを見ると開けたかどうかは大体解ります。

なのにタペットのクリアランスは???ピストンクリアランスは???不思議です。

エンジンは開けて部品を交換すれば良いという物ではなく必要な修正と必要でないものを

判断して適切な作業をしないと意味がありません。

あともう一つ。

最近、オイルチェックをするとゲージに少ししかオイルが付かないとか、全く付かない

といった車両を良く見かけます。

最低でもオイル量をチェックして頂ければトラブルも防げる可能性もあるので、乗る前には

必ずオイルチェックするくらいの気持ちでお願いします。

車両の状態に依っては1回のツーリングで500mlものオイルを消費なんてこともあります。

『自分のは大丈夫!!』ではなくオーナー様自身でも車両の状態を把握しましょう。

さてさて次はヘッドをバラしてバルブポリッシュやポートスムージングなどの作業報告に

なると思います。

では、また・・・



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