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CBX スプロケ付近からのオイル漏れ

CBXのドライブスプロケット付近からオイル漏れの修理依頼で作業をしておりました。

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よほどの事が無い限りこの部分からはオイル漏れなんて見たことがない。しかもこのエンジンは最近オーバーホールをさせて頂いたばかり。簡単な所から潰していこうとボルトとOリングを再度交換しても止まらず。漏れの箇所をさらに良く観察するとオイルシールリップ部から漏れていることが解りました。

オイルシールが新品に近い部品でここから漏れる事は正直考えられない。でも漏れているのは事実なので何らか必ず原因が有るはず、、、、、

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実際にシールとカラーを外して良く点検してみる。組立時にシールのリップを傷つけたかと思ったがそれも無し。カラーの摺動面を見ると、多少荒れている部分も有るが特別このエンジンが酷い訳でもなく、これよりもっと錆びていたりした物だって漏れることは無かった。

シール性に問題が無いのであれば後はリップ部に通常より油圧がかかってしまうこと。しかしそうなる要因とはいったい何だろう。

まず考えたのがミッションを潤滑したオイルが上手く排出されずに圧が上がってしまっているのではないか。このエンジンは以前に開けられた事があるようで、オーバーホール時にニードルベアリング側の位置決めピンが中に押し込まれているのは確認していました。しかしまだ引っかかりもあり、問題ないと判断しそのまま組み上げました。もしその位置決めが出来ずニードルベアリングのケースが回ってしまうと確かにオイルの排出が出来なくなるので油圧が上がってしまう。

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(左右の写真を比べると左のピン頭が低い事が解ると思います。)

しかしニードルのケースが回った形跡は無く、その可能性も消えました。今まで組み上げたエンジンでオイル漏れがしていないのだから、何か必ず他のエンジンとの違いが有るはず。後は通常より油圧が高くなってしまう事だが、そんなことは起こり得るのか?

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ミッション側の潤滑経路はオイルポンプから1の通路に油圧がかかり2のオリフィスで計量されてプライマリーシャフトを潤滑、3の通路を通り4のオリフィスで計量されて、、、、、あれ?

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オリフィスが無い、、、、、。右の写真と比べて頂ければ解りますが、ここには本来オリフィスが打ち込んで有るはずのオリフィスが無い。オーバーホール時には当然全ての油路は清掃します。しかしこのオリフィスは圧入で打ち込んであるので抜こうと思っても抜ける物ではありません。私自身の確認ミスです、以前開けられていると言うことを念頭にもっと慎重に確認作業を進めるべきでした。しかしどうやったらこのオリフィスが抜けるのだろう。

原因が解れば解決策は幾らでもあります。今回はオリフィスを制作して打ち込む事にしました。

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旋盤で丸棒からオリフィスを削り出します。圧入代を出さなければならないので、外径を削り過ぎないよう注意しながら寸法を出して、オリフィス単体が完成。

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ロックタイトを塗布して打ち込めば完成です。組立てテスト走行もしましたが、オイル漏れは止まったようです。

どうすればこの原因をもっと前の段階で発見出来ただろうか。今回は反省すべき点と考えさせられる点が多々ありました。オーナーには色々ご不便をお掛けして大変申し訳ありませんでした。