今期も4期目が完成しました。
今回のエンジンをオーバーホールして改めて思ったのですが、走行距離が少なければ不動の期間がありこのエンジンの様にシリンダーライナーが錆びていたり、距離が多ければそれなりに摩耗・劣化しているので、どちらにせよ30年以上も経てばノンオーバーホールで調子の良いエンジンというのは無いのだなとつくづく思いました。

シリンダースタッドが錆びていたので、スタッドだけは耐熱塗装して、クランクケースに建てるところから始めます。
先ずは点検から進めます。その圧縮が低かった原因がこちら。



シリンダーライナーで左から#1,#5、#3ですが、#1と#5はとても回っていたエンジンとは思えないほど錆があります。指で触るとハッキリと解るぐらい段付も出ております。これは0.25の純正オーバーサイズでは錆が取りきれないのは確実なのでこの時点で3mmオーバーのワイセコピストンが決定です。
今期4機目まで既に終了しておりますが、順次更新をしていきます。
今回もエンジンが始動出来ないとの事で持ち込まれたCBXでテスト走行などが出来ませんでした。結果から申し上げると始動出来なかったのは点火系の配線加工が原因だったのですが、とりあえず圧縮圧力を測定すると、
#1:4.2kg #2:7.8kg #3:8.0kg #4:9.2kg #5:4.0kg #6:9.0kg
と、とても今までかかっていたエンジンとは思えない数値が出てきました。いくら冷間時とはいえ充分オイルを回してから測定しているので、#1・#5は回っていても不完全燃焼をしていたものと考えられます。早速分解を始めましょう。




更新が遅くなりましたが、今期3機目が完成しました。
考えていたよりも状態は酷くなかったのですが、やはり分解前に始動してのテストが出来ていないので実際組み立てて始動するまではどうにも安心出来ません。
いつも通りクランクケースにスタッドを建てる事から始めます。エンジン外観全て塗装やバフなどを施しており、こういう場合にはボルト類も全て再メッキを行いますので、とても綺麗な仕上がりになります。
順に修正作業を進めていきます。




カムチェンテンショナーAのリビルト、IN&EXポートのスムーシングを行います。何機もやって慣れていても一番時間のかかる作業です。でもこの作業をするとしないとでは全然違うので絶対に手を抜けません。耐久性を落とさずピークパワーを稼げる数少ない部分ですし、距離を走ってからのパワーの落ち込みも少なくなります。
今年も既に3機目となりました。

既に数年間不動の状態でエンジンを掛けることが出来ません、慎重に作業を進めて参りましょう。

今年2機目の完成です。
以前の状態とは比べようが有りませんが、クラッチアウターにガタが出ている事を考えればかなり静かになり、スムースなエンジンになったと思います。
いつも通り先ずはヘッドから始めます。

今回のヘッドはカーボンの蓄積はまあ多少多い方かなと思うぐらいでしたが、バリが多くスムーシングをするのにいつもよりかなり時間がかかりました。

今年一機目が完成しました。既にRemotionのリビルトクラッチアウターが入っていることもあり、オーバーホール前よりかなり静かになったと思います。
先ずはヘッド修正から始めます。

距離的にはこの年式の割りに少ない方だとは思いますが、やはりそれでも掛かる時間はさほど変わりません。
今期2機目の分解作業です。

エンジン始動可能で走行も一応可能との事でしたが、オーナー様が液圧縮した事を自覚されており、またそれからカタカタと異音もするようになったとの事でした。
走行出来る物はテスト走行を行ってから作業に入るのが通常の手順ですので一応走行したのですが、信号2つで直ぐに引き返して来ました。やはりエンジンの異音が大きく、これ以上何か破損させても仕方がないと判断しました。
エンジンを降ろしオイル漏れが酷かったので一回り点検してみると、、、
今年も既に1機目が始まっております。
走行してご来店された車両なので、大きな問題は抱えて無いのですが、やはりオイル消費量がとても多いエンジンとの事でした。
いつも通りテスト走行を行い、エンジンの状況を把握しておきます。


プラグの焼け具合を見て、圧縮を測りましたが、全体的に低い数値となっておりました。
通常一度オーバーホールしたエンジンは次回のオーバーホールまでには相当に時間と距離を走るものと思います。前回修正のページではファインチューニングと呼ばれる作業の一部をご覧頂きましたが、これは良い状態をより長く保つ為の作業でも有ります。逆にレースに使われる様なエンジンは頻繁に開けるので、バルブのポリッシュ等は行わなくてもなんら問題ありません。最新のエンジンではチタンバルブ等も使われており摺り合わせすら出来ないエンジンもありますが。
さて、錆が酷かったスタッドはブラストして耐熱塗装を施しました。先ずはスタッドを建てる所から初めます。勿論ケースの雌ネジ側の清掃は行ってから入れていきます。

先ずは各部の清掃から行うのですが、特にスラッジなどが溜まっている所というのは内側なのです。


これはプライマリードリブンギヤですが、内側をほじるとこんなスラッジが出てきます。これでも少ないほうなのですが、「シャフト」と呼ばれる部品、カム・プライマリー・ミッションなどの内側にも結構汚れが溜まっています。外から見えない部分だけに見落としがちですがせっかくオーバーホールするのですからそういった部分にまで清掃に関しても気を配って作業を進めます。
最近、寒さをこらえていつもより30分早く起床してコーヒーを飲んでいる菅野です。
ちょっと前までは出勤ギリギリまで寝ていたりしたのですけど・・・
早く起きてコーヒーをマッタリと飲んでいると目も覚めるし一日が元気良く
過ごせる気がします。
『早起きは三文の徳』なんて言葉もありますが、まさしくコレですね。
朝にたった30分ゆっくりと過ごすだけで身体も心もスッキリします。
ってことは仕事もはかどるし・・・結果的には徳をするってこと!!
(気付くの遅い!!ってツッコミは勘弁してください。)
いつも前置きがあってスミマセン。。。
では、どうぞ・・・
今年最後のCBXエンジン フルオーバーホールとなりました。今年は本当に月一機ペースでオーバーホールを行っていた事に今さらながら自分でも驚いております。

今回のエンジンは一番真っ当な、というか特別不具合がある訳ではなく、経年劣化によるオーバーホールでした。