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CB1100F E/Gフルオーバーホール Vol’4(最終回)

年末年始に何をしようか悩んでいる菅野です。

とりあえず実家には帰ると思いますが、なんせ同じ市内なので

日帰りというか・・・いつでも行けるというか・・・ママチャリで15分です。

ちなみに自宅、実家、お店と全て市内です(笑)近すぎてチャリ移動が最速です!!

まあ、どうでも良い情報はさておき本題に入りますかね。

では、どうぞ・・・

さあ皆様お待ちかねの『CB1100F E/Gフルオーバーホール』も

今回のVol’4で最終回となりました。

Vol’4 ???って思った方は先ず Vol’1 Vol’2 Vol’3 をご覧ください。

ワイセコのピストンの入荷待ちにより予定よりも時間が掛かっているわけですが、

やっとこさ入荷したので組立開始です。

ワイセコ待ちの間には内燃機加工として・・・

・クランクシャフトのダイナミックバランス

・コンロッド&クランクケースメタル選定(プラスチゲージで測定)

・コンロッドの重量合わせ(メタル含む)

・バルブシートカット&バルブ研磨&摺り合わせ

・シリンダー上面 面研磨

コンロッド&クランクのメタル選定はケースやコンロッドにマーキングされている

記号で合わせることも出来ますが、プラスチゲージを使用してしっかり測定した上で

選定した方が確実です。

摩耗具合によっては記号通りに組んでしまうとクリアランス過多になることも少なくありません。

あとは記号のマーキングが薄くて読みにくいので・・・ってのも若干あります。

ピストン入荷後にはピストンの重量合わせをしてから・・・以下の作業を行います。

・シリンダーボーリング

・シリンダー上面 面研磨

ここに来てやっと組み立てるだけの作業に入る訳ですが、組立前にヘッドやシリンダー

クランクケースを洗浄します。

バラした時点で一度洗浄してはいますが、内燃機加工後にはさらに念入りに洗浄をします。

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クランクケースはオールアルミなので、高圧の水で洗浄します。

この時期にはチョット萎える作業です。(手が冷えて痛いです。)

気を抜くとケースのエッジで手を切ったりしますしね。

ヘッドやシリンダーには鉄も含まれるので洗浄する場合は灯油を使用して洗います。

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念入りに洗浄をしたあとは、いつもヘッドから組み立てます。

腰下が組み上がったら直ぐにヘッドも組みたいので、先にバルブを組み込みます。

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左側にあるオレンジの工具が一般的な『バルブスプリングコンプレッサー』

右にあるのもバルブを組み込むための専用工具です。

言葉では上手く説明できませんが、スプリングコンプレッサーの場合は

締めてコッタを入れて緩めて次に・・・って感じですが・・・

右の工具はスプリング、リテーナー、コッタをヘッドに差し込んだら上から

工具で押すだけです。なので先に16本分のバルブ、スプリング・・・などなどを組み込んでから

押し込んで行くと・・・上手くいくと5分くらいで16本組み込めます。(微妙なコツが必要ですけど)

この工具のお陰でかなりの時間短縮が出来るようになりました。

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面研磨もしてバルブも磨いてポーティングもするとこんなにも綺麗になります。

思わず『ウットリ』してしまう方も多いのではないでしょうか?

このタイミングで来店して頂ければ直に見ることも出来るのですが・・・

組み立てちゃうと見えなくなってしまうのでチョット残念ですよね(涙)

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ここからは腰下の組立になります。

スタッドボルはバラした時に全て抜き取りまして錆や砂を完全に落とします。

残っていると組立時にケース内に落ちてしまうので重要です。

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スタッドボルトを取り付けたらアッパーケースを逆さまにしてクランクやプライマリ

ミッションを組み込んで行きます。ほぼはめ込むだけなので簡単に終了です。

ケースのメタルに見える青いものは組立時に使用する専用のペーストです。

モリブデンなどが含まれています。始動時の初期摩耗を軽減するために塗ります。

 

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ロアケースにも青いのを塗ってからシフトドラム&フォークを組み込んでから

ケースを閉じます。

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オイルパンを閉じたらエンジン台に移して腰下完了!!(ケース内)

全ての修正や調整が済んでいるから組立は早いのです。

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クラッチ、スタータークラッチ、オイルポンプを取り付け。

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ピストンを組み付ける時には万一にも手が滑ってクリップを落とさないように

念のためケースは塞ぎます。

あとはシリンダーとヘッドを取り付ければ・・・お次はカムシャフト!!

今回、カムシャフトはWPC処理を行っているので独特な輝きを放っております。

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カムシャフトを組み付けたらタペットを調整してカバーを閉じれば完了です!!

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いまでは自作の専用ジャッキ(CB-F専用)があるので

1人でエンジンを載せたり降ろしたりできます。

あとはキャブ付けてエンジンオイルを回して・・・と始動の準備を済ませます。

そしてセルを・・・一発始動です。

この瞬間が一番楽しいです。

入庫したときとは違って心地よいエンジンノイズが心に響きます。

吹け上がりもバツグンに良くなりました。

エンジンオーバーホールに伴いキャブレターもフルオーバーホールさせて

頂いているので、絶好調です。

エンジンを開けるならやはりキャブも一緒に行った方が良いと思います。

せっかくエンジンが元気良くなってもキャブが調子悪いとあっという間に

カーボンが・・・なんて事にもなりますし吹け上がりにも影響します。

キャブはフロートを開けてジェット類を洗浄した程度では、ほとんど効果が無いので

全バラにして打ち込みのジェットも制作して打ち変えます。

もちろんエアカットバルブも全て交換。同調も合わせてバッチリです。

そしてお客様に納車する前には、もちろん試乗をするのですがヘルメットの中では

思わずニヤっとするほど調子が良いです。

たぶん自分で作業をしているので親バカな気分に近いのかもしれません。

でもオーナー様も乗れば違いは必ず実感して頂けると思います。

CB-Fですとこんな流れでオーバーホールが進むのですが、ちょっとしたマニュアル見たいですね。

サービスマニュアルをお持ちの方ですと、自身でエンジンを開けられる方も中にはいらっしゃいますが

マニュアルは必要最低限のことしか(むしろ大事なところが抜けてたりします。)書いていないので

もしご自身でエンジンを開けるような時には充分に気を付けてください。

マニュアルには書いていない様々な注意点がありますからね。いわゆるノウハウってやつですね。

でもエンジンを開けるのは憧れますよね。(自分は憧れていました。)

自分はバイクに乗ることよりも整備やカスタムでバイクに触れている方が3倍くらい好きです。

もちろん乗るのも好きですけどね・・・だからこの仕事は天職です!!

乗っていて一番楽しいのは調子が悪かったバイクが自分の手により調子を取り戻し

試乗をしている時が一番幸せと言っても過言ではありません(笑)

あとはなんと言ってもお客様からの『ありがとう』と『笑顔』これがあるから頑張れます。

既に車両は納車済みです。

本日、お電話にて感想を聞かせて頂きましたが、

『店を出る(納車時)ときに違いが感じられたしエンジンノイズ&振動も少なくなり、

全体的にトルクアップもしていて大変満足している。』と聞かせて頂きました。

自信をもって納車させて頂いてますが、オーナー様に直接感想を伺うまではやはりね・・・

ご満足頂けたようで良かったです。

今後もオーバーホール作業はオーナー様への報告も兼ねてこまめに作業報告を

アップして行きますので宜しくお願い致します。

ちなみに1月のオーバーホールは、まだ受付出来ますので検討中の方はお早めに!!

1月にオーバーホールを行えば春頃までには慣らしも終わるでしょうから丁度良いですよ!!

それでは皆様のご来店を心よりお待ちしております。

では、また・・・